■ ストーリー ■

時は寛永17年、戦国の余燼も未だに消えず、
ちまたに主と食を求める浪人が溢れ、 旗本の辻斬りが横行する時代。
そんな死臭漂う、闇の世を
一人の異形の剣士が彷徨する。
その名、二つ影双厳。
二つの影を持つ剣士。
二つに引き裂かれた影は呪われし者の印。
一つの影は人間の、もう一つの影を人間以外のものの
その両義性故に、表からも裏からも狙われ、
彼が歩んだ道には肉塊と血反吐で埋め尽くされる。

その呪われた血故か、あるいわ偶然か、
双厳は自分の呪いに類似した恐るべき島に赴く事となる。
その名、淡島。
この古事記に出てくるという、形を持たない面妖な島と同名の島で、
双厳達を襲う奇々怪々な現象!
生まれる子供がすべて双子であるという島。
双子の片方はかならず間引かれるという島。
その子供の数だけの鳥居に埋め尽くされている島。
そこで行われる呪われた儀式とは?

はたして、二つ影は自らの呪いを解く事ができるのであろうか?
そして呪われた島から生きて帰る事ができるのか?
本格時代モノファンタジー。数々の本朝幻想文学を下敷きにして、ここに開幕!