「ゆきって昔っから一人なのが好きなのね」

「そうかな? 別に一人が好きなわけじゃなくて、ウザイ人といるのが嫌なだけだけどなぁ」

「それを一人が好きって言うんじゃないかしら?」

「そういうもんかねぇ……」

「でもゆきいつも一人だから……私達知らない事ばかりだよ……」

「ゆきの事けっこう知ってるつもりだったのにぃ……とかそういう事を言いたい?」

「そうでもないよ……最近はゆきの事なんて全然分からない……こうやってゆきと話のもめずらしくなったし」

「そうね……」

「実際……私達はここで水上がどんな顔で過ごしてたか全然知らなかった」

「昔は結構一緒にいたのにね……」

「っ……」

「ど、どうしたの?」

「い、いや……何でもない……」

なんだ今の……。

なんか……視界がぼやけて……。

「ゆき……身体の調子悪いの?」

「いや、大丈夫……なんか昨晩夜更かししたからなぁ」

「夜更かしして何やってたのよ……」

「鏡の事考えてた」

「はぁ?」

「な、なに言ってるのよ……なんでゆきが私の事を考えるのよ……」

「いや……あの時のアホ面を……」

パコ……。

「痛い……」

「ど、どの時のアホ面だ!」

「いやぁ……結構な率のアホ面なんだけど……」

ベキ……。

「マジ叩きするなっっ」

「マジ叩きにもなるわよっっ」

「うー」

「なに……司?」

「私も……アホ面でもいいから思い出したりしないのかな?」

「……司ってアホ面あまりしないじゃん」

「……私……これからアホ面の練習する……」

「そんなのするな……」

※サンプルシナリオは製品より一部抜粋編集してあります。ご了承下さい。