こいつ……ボクが今までと同じ……まったくの無力な存在だと思っているんだな……。
今のボクが人類史上最強の人間である事を知らないんだ。
だからボクに恐れていない……
ならいっその事……。
「犯してみる?」
「何?」
「それとも……殺してみる?」
「……」
いっそのこと本当に……、
……っ、
いや……くだらない挑発だ……。
そんな事をする必要はない。
「人類史上最強の君なら私を犯すことも殺す事も可能なんじゃないのかな?」
「っ」
落ち着け……。
こいつの言う事にいちいち動揺するな……。
とりあえず……相手の安い挑発にのせられるのはまずい……まずすぎる……。
ボクは深呼吸をする。
そしてゆっくりと言葉をはく。
「ふぅ……いい加減、そういう安い挑発もやめませんか?」
「そう? おもしろいのに?」
「それより、質問に答えてくれませんか?」
「君が恐いもの? くすくす……」
「それを答えればいいの?」
「こ、答えるも何も、ボクが恐ろしいものなどない……ボクはすべてを知り、すべてを見る者……」
「ふーん……君はすべてを見る人……なんだ」
「……ならこれが見えるんだね」
「え?」
貯水タンクの天井が突然えぐり取られたかと思った。
天井が消え失せ、外からの光に晒される。
だが、その光の先に見える空は……
見たこともないほど、青く、深い、不気味な空であった。
※サンプルシナリオは製品より一部抜粋編集してあります。ご了承下さい。 |